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「きのう何食べた?」よしながふみ [書籍]

毎回、夕飯のお献立と事細かなレシピを中心に、ゲイカップルの日常が淡々と展開するさらさらほのぼの漫画。
ゲイカップルつーても生々しい性描写は皆無なのでそういうのが苦手でも安心して読めます。
淡々としてんだけど、その淡々具合の中にも家族とか仕事とか恋愛とかのドラマがほんのりと、且つ浅はかでなく、しっかり構築されていて、ものすごくおもしろい。ものすごく巧みな漫画だと思います。
料理に興味がなくっても、献立レシピ部分をすっ飛ばして読んでもおもしろいと思う。

しかし、主人公の筧史郎さんは、底値を見切っての夕飯のお買い物材料やりくり献立思案後片付けをも見越した調理の段取りを、ものすごいモノローグの多さで考える訳なのですが、これがとてつもなくリアルでスリリング。

これがゲイカップルじゃなくって、夫婦ものとか男女カップルだったら筧史郎は「こんな夫がいたらイイな的スペシャルな男」か「妙にリアルなフツーの働く主婦」のどっちかにならざるを得ない。
「男」が「日常的」に「フツー」に「炊事」して「生活」する。
要するに、そんだけのことが描かれたものはかつてなかった、っていうところで画期的なんだと思う。
(「クッキングパパ」は父ちゃんが料理するけど、あんまし「フツー」の扱いじゃなくって、「こんな夫がいたらイイな的スペシャルな男」でしょ。)

著者のよしながふみという人は対談集「あのひととここだけのおしゃべり」で、自らがフェミニストであると立場を明らかにしているのだけど、男性を攻撃するのではなくって「男だから」「女だから」って役割とかイメージとかを押し付けられるのが嫌なだけなんすよ、っていう感じのしなやかさが個人的に好感。

で、そういう姿勢がはっきり表されていて、しかもしっかりおもしろい、ってのは快挙だと思う。


 


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コメント 2

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エンジェル

そうそう、あの買い物~料理~食事の流れがリアル~!
「思い通りのタイミングで帰ってきたことに、内心ヨシッと思ってる」とか
すっげーわかりやすい。(笑)
ダメになった食材を捨てた時の「負けた…」気分とか。^^;

男でも女でも、自分のことは自分でできる、というのを大前提として
共同生活を営む場合は「自分が得意なことを優先する」のがいいなぁ。
ただ、ヘタすると「自分のやり方を強要してしまう」こともあって、
その辺がうまく噛み合う同士だと、きっとうまくいくんだと思う。
ま、あとは受容のカタチの相似形ですかねぇ。(?)
by エンジェル (2008-12-14 11:36) 

シロタ

あのリアルな生活感、島耕作ファンなおっさんとかは如何様に受けとめているのか、ひじょーに興味あるな(笑)。

それにしてもコレ、「大奥」とウラオモテだよね。
仕事する女、生活する男。

>男でも女でも、自分のことは自分でできる、というのを大前提として

うーん、前提としたいところなんだが。
どうしてもできないこともあったりすんだよね。それも認めなくちゃいけない場合もあると思う。お互いに。
そこいらへんの兼ね合いが助け合いになればいいんだけど、どっちかが一方的に世話する関係とか、負担になっちゃうとアウトなのかなー。

ホント、できるに越したことないんだけどねえ。

by シロタ (2008-12-15 09:54) 

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