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「ホリー・ガーデン」江國香織 [書籍]

うー、江國香織。
正直言うと、オサレなステキ女子的、妙におキレイな描写は鼻につくこともある。そういうのがまた読みやすく、つるつる読んでしまった挙げ句、意外にそれらのオサレモチーフ・オサレディテール・オサレ描写が印象に残ってて、どこそこの紅茶だのチョコレートだのが目について、おや、とか思って、うわ影響されてるーて気づく瞬間が恥ずかし悔しい(笑)。
でもって、そういうステキ女子的事柄を衒いなく愛好する、まさにステキ女子な江國ファンの方々のことは激しく苦手だったりもするですごめんなさい。

で、「ホリー・ガーデン」。
妙に好きで、何度か読み返してる。作中に引用されてる詩も気に入って「尾形亀之助詩集」(思潮社)も入手。
例によって例の如くステキ女子的さらさらオサレ文章で、訳ありに紅茶茶碗(ティーカップって言わないのがオサレ)をしまいこんでカフェオレボウル(湯呑みとか汁椀じゃないのがオサレ)で紅茶をいただく果歩ちゃんの日々がたらたらゆるゆる描かれる。
一見何ごとも起こらなげに平穏な毎日なんだけど、まあこの果歩が痛々しいほどに必死の努力でへらへら過ごしているっていうのがヒリヒリと伝わってくる。オサレ文章のくせに。
果歩の意固地っぷりがミョーに好ましくって気に入っている。気分とか感情とか訳のわからない厄介なものに凛々しく逆らいつつも誠実に向き合う素直さ、自分に嘘をつこうとしてつき通せない不器用さみたいなもの。勇ましくっていじらしい。

静枝っていう人物がまた、強くてカタそうで男前なようでいながらもぬるくて通俗で偽善なアンバランスだったりして、特に芹沢への忠誠っぷりとか祥之介ほか友人との微温な付き合いが偽善っぽく感じる。それはそれで果歩と好対照でキいてる立ち位置。
全然好きじゃないけど、自分にもこういう甘いとこあるんだろうなーなんていう後ろ暗さを感じて、いいコぶりたい=自分に媚びたい自分にまたムカつく(笑)。


話のヤマ場とかオチみたいな筋立ての起伏ではなくって、ひたすら気分とか雰囲気のふわふわした描写。
そのふわふわ加減とか柔らかさや揺らぐ様子が、華奢な文章で描写されてて、喉ごしよくつるつるさらさら読めてしまうけれど、実は非常に過激で激烈な毒が仕込まれてんじゃないか、と思ったりする。「薔薇の木枇杷の木檸檬の木」なんかは、よりそんな印象が強い。

で、その毒を服用させるために嫌みなくらいのオサレでつるさらな文章が選択されてるのかなあ、とも思って、オサレ江國怖っ! て戦慄。






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コメント 2

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江國香織マニアっ子

江國さんはホント女性にしか書けない文章を書く人ですよね。
だから、共感できるぶん男性よりは女性に人気があるのではないかと思います。
「ホリーガーデン」まだ読んでないんですよね。
読んでみます
by 江國香織マニアっ子 (2009-10-12 13:29) 

シロタ

江國香織マニアっ子さん、コメントありがとうございます。

文章もさることながら、テーマもさりげなく穿ってんじゃないかと思います。体調悪いときに読んだりするとしばらく立ち直れないです。


by シロタ (2009-10-13 10:00) 

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